人気ブログランキング | 話題のタグを見る

かんざし


以前ここの日記でもちょっと書いた、セツローさん。
セツローさんは、陶工の小野哲平さんのお父さんです。
木の匙やかんざし、つち人形などのものづくりをされています。
(匙やつち人形はもうおつくりにならないそうです。)
そのセツローさんのかんざし展とスケッチ展。
去年からたのしみにしていたこの2つを、先月見ました。

机のうえに並んだかんざしの一つ一つ、
手に取ると、ぽっと身のうちでなにかが明るく灯る。
野の花のスケッチからは、かわいいねえ、と
花を愛でる声が聞こえるようで、
私もその(花とセツローさんの)朗らかで軽やかなやりとりに、
ほんとだねえ、などと加わりながらうれしくなった。

いとおしいと思うものをうつして、
うつくしいと思うものをつくって、
それを見て触れた人がうれしくなる。

自分のなかに降りていくことではじめて、
人に届く。

つくる、ということにおいて、
そのほかのいろんなことにおいて、
「もちろんそれだけじゃないけど
それがないと話にならない」
という種類のことを、
おもっています。

「ジャワ10世紀のビーズ」と毛筆で説明書きされた
抹茶色の玉がついているかんざしを買いました。
木の部分は丁寧に削られ、漆が塗り重ねられている。
ずっと、いっぱい使おうと思います。
(まずは髪をのばしています。)


・『セツローのものつくり』小野 セツロー
 アノニマ・スタジオより

・セツローのものつくり展
 馬喰町ART+EAT 2008/3/1~8

by sho-ji21 | 2008-02-21 20:59

<< 後姿 チューリップ >>