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骨董屋に立ち寄る。

日曜、骨董屋(と古道具屋の間くらいのお店)に立ち寄る。

昔のガラスの風合いが好きだ。
小さな気泡が入ってしまっていたり、質が均一でないために
かすかな模様がウネウネと入っていたり。
傷が曇りを生んでいるのも、ざらりとした手触りも好き。

いろいろ楽しんで見ていたら、店の人が
「あっちの方にもなんかガラスあったよな。」などと言いながら
若い店員さんに指示を出して、閉まっていたもう一軒を
開けてくれる。うはうはと見学。
ガラスはもちろん、蕎麦猪口や何やらわからない道具など、
いろいろとおもしろい。

手鏡を発見する。ふたを開け、美しい装飾のそれを静々と
取り出して手に取る。「年月を経た曇り」というものを
差し引いてもその映りは決してよくない。それで自分の顔を
見るうちなんだか、切ないとも羨ましいともつかない
フシギな気持ちで胸がつまった。
この薄柔らかな輪郭を見て、化粧をしたり人を想ったり
ため息をついたり笑ったり、誰かがきっといつかしたのだ。

カギを持ってついて来てくれていたお兄さんに、
そんなフシギな気分を話すと
ああ、やっぱり女の人だなあとおもしろがる。
人によって見るところが違って本当におもしろいと彼が言う。
商品としての「意味」が時間と共に一度削ぎ落とされて
他の何かが付与されてるからこそ、なんだろう。

清涼飲料水が入っていたらしい古い小さなビンを買って帰る。
なぜかひょうたん型をしており、大変かわいい。
端っこで値札もつけずに飄々と立っていた。
いま私の家でも同じように窓際に、そのビンはただ立ってるよ。

by sho-ji21 | 2005-11-01 15:24

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