<   2007年 03月 ( 7 )   > この月の画像一覧

成功イメージ

以前、熟年夫婦の駆け込み乗車を見たことがある。
発車ベルの鳴るなか、夫、少し遅れて妻、
の順でホームに向かい階段を駆け下りていた。
このタイミングではムリだろうと見ていたら、
後ろを走る妻が前のダンナにこう叫んだ。

「乗れると思って走るー!」

ムリかもと思って走ったらムリなのだ。
成功イメージはたいせつなのだ。
ごもっともながら、ここでその気概はずるい。
おもしろすぎる。

それを受けダンナは、傍目にも無茶な飛び込みかたをして
痛々しくドアに挟まれた。その隙におばさんが追いついて、
アナウンスで怒られながらもドアが開き、そのまま
二人は乗り込んでいった。

ひどい。市民は真似をしてはいけません。
おかしくてしばらく笑いが止まらなかった。
おばさんあの後、「ほらごらん乗れた」と夫に
言っただろうな。痛い思いしてないくせに。
良いものを見ました。
[PR]

by sho-ji21 | 2007-03-30 12:41

祝いグラス

結婚のお祝いのペアグラスを吹く。
依頼主からのリクエストは名前入りであること。

 こう、お酒とか飲み干したら名前が
 出てくんねん かっこええー

というイメージらしい。(↑西の人。)
ならばもう絶対に、名前は漢字で縦書きで
やらせてほしいとお願いする。

裏文字にしてグラスの底から、
引っ掻くように少しずつ彫っていく。
いちおう削り粉に配慮して手ぬぐいで
口に覆面をしてるものだから、
花粉症で役立たずの鼻と相まって
息を忘れる。あっというまに一時間。
とても楽しい作業だった。

e0092614_204125.jpg


かっこよくできました。
(濃い色の上に置かなければそんなにうるさくなく、
いい按配。これ、いいです。自画自賛。)
喜んでいただけるといいな。
そしてご注文とたのしい提案をくださった
依頼主さま、本当にありがとう!


e0092614_2065278.jpge0092614_20744.jpg


こんなラッピングでお届けします。中身渋いー。
(※ご了解をいただいて載せました。)
[PR]

by sho-ji21 | 2007-03-24 20:09 | ガラスのこと

新月

ある夕方の記憶。あれは笑点だったか、
薄暗いなかテレビがぼんやりとついていて、
そろそろ雨戸をしめようかというような時間。
小学生の私は見るともなしにテレビを見ており、
離れた場所で風呂上りの父親が足の爪を切っていた。
パチンパチン。台所には母。ゆるい日曜の風景。

次の瞬間、目にすごい衝撃が。
何が起こったかもわからぬまま「ぎゃー」と叫ぶ私。
一家騒然。なんだどうしたとの問いに、
これなんだと自問するくらいの
唐突な出来事。(笑点から一転だもの。)

目に虫でも入ったんじゃないかと言いながら、
父が検分。未曾有の痛みは一瞬も治まらない。
数分の格闘の末、やっとその原因が取り除かれた。
救世主ーと涙ながらに父を仰いだのもつかの間、
出てきたものは父の足の爪だった。
爪きりからダイレクトにダイブしてきたと思われる、
しっかり弓なりのカタチのやつ。

バツの悪そうな父。
それを叱る母。
私はなんだかその図も含めたいろいろが
おかしくなってきちゃって、
一人で笑いが止まらなかった。

細い月の頃に、このことを
思い出してしまうときがあります。
「月→父の爪」というのは、はなはだ不本意な
連想ではありますが。

昨日は新月でしたね。
また新しい一周のはじまりです。
[PR]

by sho-ji21 | 2007-03-21 01:45

赤い梅

夕方、雨が急に上がった。
光が妙な差込みかたをして、地平線のほうに
出てた分厚い雲を照らした。

それを見ながら歩きながら、なんでか急に、
連続してないなあということを強くしんしんと感じる。
ひと足ごとひと息ごとに、もう違う。私も周りも。
嫌な感じじゃなく、それは小さいころ
度々とらわれた感覚みたいなやつ。

あー、こんなにも別物ならば誰かと会うたびごとに
わたしはホントに知らないその人に会ってるな、
だから誰かや何かを、わかったふうには
決して決して思うまい、と改めて刻む。

わからないから敬う。距離をとるのとは違う。
もちろんコミュニケーションを諦めるのなんかとは
全然違う。すれ違ったり交差したり、そのガガガッと
車体がこすれあうみたいな至福(関わり合うことというか)
のために、"わからない"とか"すごく他人だ"
みたいなことをいつでも前提としていたいな。
なんてことを思ってるんだけど、
言葉にするのってむずかしい。

↓日に透けた梅の魅惑の赤。

e0092614_23401355.jpg
[PR]

by sho-ji21 | 2007-03-11 23:47

ハルタ

ハルタの広告が電車のなかにあった。
高校時代に履いたローファー「ハルタ」。
うわー、となるくらいに懐かしい響き。
2年3年となるにつれ、ハルタから少しずつ
ちょっとだけ高価なリーガルに移行していくんだけど、
1年生にはハルタだってもう、
十分大人なアイテムだった。
入学式はうれしかった。

入学してまだいくらもたってないある日、
自転車で派手に転んで制服のスカートが破れた。
遅かれ早かれ、と思っていたので
破れたとこまで切り落として縫い、ミニスカートに。
なんだか先陣を切ってしまった感があり、
そういう柄じゃないのにと恐縮した思い出。
いま思うとたいしたミニでもないけれど、
4つ上の姉の時代にはない文化で、
みっともないと家族間で不評だった。

高校時代の記憶って、小中に比べるとなんとなく曖昧。
なぜだろう。でも「ハルタ」という懐かしい単語に
ズルズルと引きずられいろいろ蘇る。

中庭と購買のパン。
薄暗い廊下とロッカーとブリックの味。
初めての文化祭で先輩らのパフォーマンスを見て
「高校すげー」と興奮したこと。
友達のお泊り話に愕然とした日。
部活のあとに飲むメッツ(微炭酸のジュース)。
美術の先生、南米子(みなみよねこ)。
友達と、ふたりで1つのホットチョコで、
何時間もねばった駅前マック。

いろいろ思い悩んで授業中、「さがさないで」と
言い置いて部室に逃げ込んだこととか、
あまりに天気が良い日には、午前のうちの
登校を断念して海に行ったことやら。

いろいろ真剣に、きちんとアホに、
時にダラーと時に熱く、
たぶん一生懸命過ごしてたのね。
そういう意味ではあまり今と変わらないのかも。
前世の記憶みたいにそれらは遠いんだけど、
昨日のことだよと言われたら
それはそれで受け入れられそう。

記憶っておもしろい。
[PR]

by sho-ji21 | 2007-03-10 00:42

暮しの手帖

「暮しの手帖」を本屋で立ち読み。
懐かしいタイトル。
たしかうちの母親が定期購読していたから、
家の本棚にずらーとあったように思う。

これ、いつのまにこんなことに。
パラパラ見での感想だけどおもしろい。
どこか硬派な感じも残ってて、
他のそれっぽい雑誌とは
どことなく違うような気もするし。
(タイトルの妙が大きいのかもしれないけど。)

と思ってたら、編集長があの
松浦弥太郎さんに変わってたんだ。
なんだー。
すごい掘り出し物に出会った気分で、
ホクホクしてた。

好みって意外と一貫してるものだ。
意外と。

それにしても、
どんな経緯で編集長をやることになったのか。
まったく新しい雑誌のほうが
どんなにかつくりやすいだろうに。
というのは素人の想像だけど、
そのあたりも気になるところ。
[PR]

by sho-ji21 | 2007-03-09 00:10

嵐の翌日

明るい月に照らされた雲が強い風に流れてる。
そんな空模様の不穏な感じが好きなのですが、
今日はまさにそのような夜でした。
けっこうな冷え込みのなか、
空を見上げ見上げの帰り道。

しばらく体調を崩しており、今朝久しぶりにすっきりと
いつもの道を歩いていたら、土手状のヨモギゾーンに
座っているおばさんがひとり。
もうヨモギの季節なのか、とびっくり。
話し掛けつつゾーンを見ると、3センチくらいの
「まさに新芽」がほかほかと出てきている。

おばさん曰く、ここらは犬がおしっこやらなんやら
(なんやらって言った。)かけていくんだけど、
昨晩の嵐のおかげでだいぶ洗われたに違いないから、
今朝は狙い目だと思って、とのこと。
なるほど。今度の雨上がりの早朝にマネをしよう。
と思い立ち、おばさんにもそう宣言をする。
去り際におばさんが「いってらっしゃい」と言ってくれる。

夜は、武道家の方に来ていただいての歌の日だった。
身体のこと声のこと他、おもしろいお話をいっぱい
聞けたし味わえた。もちろん本当の意味での「理解」と
いうことを言えば大半はわかってなどいないはず。
でもそのなかで私なりに私のなかで、つながったり
ズドンと着地したものがありました。そしてなにより、
たぶん極みにいるのだろうその方が醸す空気が、
暖かく柔らかかったことがとても印象的。

世界は広くて、凄い人やわからないことがいっぱい。
と思えることはとてもうれしい。

そんなこんなの嵐の翌日。
久しぶりの社会復帰と相まって
なかなか寝付けず。
[PR]

by sho-ji21 | 2007-03-07 02:05