人気ブログランキング | 話題のタグを見る

「忙」

中1の国語の教科書に「あの坂をのぼれば」という話がのってて、
そのなかのいくつかのフレーズをいまだに覚えてしまっている。

『やりたくてやれないことの
数々の重荷が背に積もり積もったとき
少年は磁石が北を指すように
まっすぐ海をおもった』

何があったのだ、少年よ。という感じだけれど、
この少年が海を目指して山を越え、ひたすら歩くという話。

10月末くらいから、(私にしては)とにかく
忙しかったのだけれど、京都に行く前の1週間くらいは
なんだか忙しさに負けていた。心が萎えておりました。
おお、なんたると思い、なんとなくこの一文を
思い出して気づいたことがありました。

メールに返信をしたい、手紙をかきたい、
あの人にもあの人にも会いにいきたい。
掃除をしたい、本を読みたい。

小さなやりたいことだったはずのことたちが、
できずにいることによって、やらなきゃまずいに
変わっていく。チケットの予約やら連絡をとることやら、
期日があるものはわかるけど、そうでないものまでも。
「やらなきゃ」で動いてもろくなことにはならない。

さきの少年のも、「やりたくてやれないことの数々の重荷」
というよりは、「かつてやりたいことだったはずなのに、
しなければ!に変わってしまったことによって
重荷だと勝手に思い込んでる数々」なのよね、きっと。
極言しちゃえば、忙しいことそれ自体が
直接的に害なのですらなくて。

「忙」という字。心を亡くす、って別に「ひとでなし」とか
「非道」とかって方向での意味ではなくとも、ただ
「わくわくするこころ」がなくなることをいうのかも。
たいしたことじゃないみたいにみえるけど、
なにかを決断したり動いたりする際に、
それがないということは致命的。

そんなことを感じてました。仕事もいろんなことも
かたんかたんと落ち着いた。
でも12月になっちゃってびっくり。はやいなあ。

by sho-ji21 | 2006-12-01 12:50

<< 日曜日 マラソン >>